中華圏への移民を目指すブログ

中華圏への移民を目指す女のブログです、

ありきたりな幸せにYESと言えたなら。

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何回も書いてきたけど、

まあまあ大きな会社で働いている。

 

私の生活は単純。

毎日朝8時に起きて、8時半の電車に乗って9時からの朝礼に出て、定時の6時ぴったりにタイムカードを切って会社を後にする。

 

給料も悪くないし、子育てや介護などプライベートへの理解もある。

 

扱ってる商品は、世間の誰もが手にしてる製品。

 

私の部署は全員結婚していて子供が2人とか3人いる。

 

たっぷりもらった給料で、旅行に行ったり外食したり。

「人よりちょっといい生活を手に入れた満足感」に酔いしれている。

 

最初入社した時は、そんな人たちを馬鹿にしていた。

 

こんなところに小さくまとまってたまるか。

私はもっと大きくなりたいから中国に行くんだ。

 

でも、国境が閉まって。

 

私の生活は地の底へ落ちた。

毎日が自殺で、電車の中に飛び込みたい衝動と戦ってる。

浴槽の中でギリギリまで息を止める。

刃物を手首に当てる。

 

それでも、どんなに精神的にどん底でも私はサラリーマン。

一睡もできていなくても次の日の朝は、

「元気が取り柄の新入社員」の仮面をつけて、おはようございますって言わなければいけない。

 

私が希望も何もかも失い、抜け殻のようになっても、私の目の前で「人より少しいい生活」を追い求める彼らの生活が変わることはない。

 

海外旅行をgotoに切り替えて、ちょっとリッチな国内旅行へ出掛けて行った。

 

休みの日はコストコニトリで家具と食材を見て、ささやかな幸せを噛み締めている。

 

それは、

まさにここにとどまればほぼ自動的に私の手に入る「幸せ」の形なのだと強烈に自覚する。

 

それなりの企業で働いてる私が、

それなりの企業で働いてる旦那様と結婚して、

それなりに子供を作り、

それなりに人より少しリッチな幸せを追いかけて。

 

考えてたら目眩がした。

そんなこと、受け入れられるわけがない。

 

そんな人生、私の目にはぬるま湯の中で窒息死させられることと同じだ。

 

でも、でも。

 

学生時代はよかった。

 

威勢よく、「人生はギャンブル。人生を中国にベット!」なんてはしゃいでた。

 

でも今はどうだろう。

 

私は少しだけ彼ら羨ましいと感じている。

 

日本のレールに乗っていれば幸せになれる。

 

小学生から大学生までそのレールのど真ん中を走るために死ぬ気で食らいついてきた。

 

そして、そのレールの延長線上にあるのは、

家族でちょっといいレストランに行って、

休日に動物園に行くことなのだろうか。

 

勘弁してほしい。

 

そんなことのために今まで私は頑張ってきたのか。

 

高校三年生の時、自分の日記を読んだらこんなことが書いてあった。

 

「今日IKEAに行った。

人間は幸せを追い求めて一生を終える生き物なのだと痛感させられた。

中学生の時は名門高校に入るために努力。

高校生の時は有名大学に行くために受験戦争。

大学生になった私は多分幸せを掴むために就活戦争。

そして、その先は婚活で経済力のある優しい旦那様を掴むために頑張って、

その果てがここか。IKEAなのか。

子供何人かと旦那を連れてでっかいカートを引いて、安い家具を自分なりの幸せの形に並べるのか。

それが人生か。

だとしたらつまんねーな。」

 

 

………おい!

 

勘弁してくれ。

 

浪人決まってたとは言え腐りすぎだろ。

 

確かに高校三年生の私の予言通り、

私は大学生活を駆け抜けて一流企業に入社した。

 

 

このままいけば自動的に用意されてる幸せを。

みんなと同じでみんなよりちょっとよくて特別な未来にyesって言えたらどんなに幸せだったかなあ。

 

とぼんやり考えることが増えた。

 

それでも、大阪のネオンに広州や香港を超える血液が沸騰して頭がクラクラするようなときめきを感じられなかった。

 

ぐるり、と自分の人生を振り返る。

 

悪かったな。ごめんな。

 

と思う。

 

ごめんな。

大学生の私。

高校生の私。

中学生の私。

小学生の私。

 

君たちが死ぬ気で繋いできたレールのど真ん中の幸せを、今の私は投げ捨てて、とんでもなく無謀なことをやろうとしてるんだ。

 

ごめん。

マジでごめん。

 

でも、私の幸せは多分IKEAにもコストコにもない。

 

なんでこんなことなったんだろ。

 

私の幸せはどうしてIKEAに転がってなかったのかなあ。

 

どうして私は、誰よりもありきたりな幸せのために努力してきたのに、誰よりもそれを魅力に感じられなかったのかなあ。

 

頭の中をぐるぐる回るいつまでも。

 

それでも、それでも。

 

ごめんな。

 

YESとは言えないことだけは絶対的な事実として私のど真ん中にあぐらをかいるもんだからさ。

 

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