中華圏への移民を目指すブログ

中華圏への移民を目指す女のブログです、

語学で無敵にはなれなかった話

 

f:id:tokyoblue5:20210725001833j:image

 

中国語にはそこそこ自信がある。

英語にはまあまあ。

 

ほとんどの人間が生涯日本語しか話せず終わっていく日本において今から2年ほど前の私は外国語ができる全能感と無敵感に酔いしれて何でもできるような気持ちになっていた。

 

だから、中国や香港で新卒でやっていける気がしてたし、中国のいくつかの会社から内定も受け取っていた。

 

 私が彼氏と出会ったのは大学3回生の3月で、そのあとすぐに内定を取って大学4回生の4月には就活を終えていた。

 

故に、授業も就活もない丸々1年間彼のことだけを考えて過ごし遠距離は辛くて仕方がないし、私は語学ができることで無敵モードだったので新卒で中国や香港でも全然いける気がしていたのだ。

 

ただ、これに同意しなかったのは親や就活に協力してくれた大学の先輩たちだった。

 

激しい反対に遭いながら私はさらに燃え上がり、

「そんなに私の語学が信頼できないなら2年間大学院に行く!日本にいるのはもう嫌だ!」

 

と完全に脳みそトランス状態だった。

 

よくTwitterやインスタに溢れてるような海外生活は、新卒で内定が取れていた会社での仕事よりもよっぽど刺激に満ちていて楽しそうだった。

 

結局親や、友人、先輩たちの激しい反対と、

内定先がまあまあ大きな企業で私の一ミリの日本への未練のせいで私はこのコロナ禍に日本に残留して日本の会社で働き始めることになった。

 

最初の一年は後悔しかなかった。

 

親なんてどうせ私より早く死ぬんだし言うこと聞かないで自分の人生大事にしてあのコロナで国境が閉まる前に中国に滑り込んだほうが良かったんじゃないか。

 

香港の大学院に進学してそのままインターンビザで仕事探せばよかったんじゃないか。

 

新卒一年目に与えられる単調なルーティンと私が思い描いていた海外生活のギャップはあまりに大きかった。

 

ただ、2年目に入りまあまあ大きな仕事が与えられるようになり頭がおかしくなるほど忙しくなってきたから私の考えは最近劇的に変わったのだ。

 

それは、

 

真面目に語学はホント素晴らしいけど、

無敵にはなれない。

 

と言う一点に尽きる。

 

JANコード、代理店、SKU、企画品、返品、

 

営業として飛び込んだ私の業界に散りばめられている業界の不文律や言葉たちは、容赦なく私に降りかかってきた。

 

エクセルだって全くいじったことない文学部だったから、先輩から習いながら必死に覚えたし、

 

顧客情報抽出システムは取引先ごとに全く違うものを使っていて、それらのマニュアルはなく全て先輩と後輩で教えあって成り立っている。

 

私はメーカーである今の会社に入るまで、

自社の商品の価格がどう決まって他社と競争しているのか。

どのようなコストをかけて消費者に届いているのか。

そもそもどのようなルートで店頭に並んでいるのかを知らなかったし、

 

さらに言うなら名刺の渡し方や、

メールの書き方。

名刺を交換した後取引先とどう関係を作って、自社製品を売り込むのか。

 

何もかも知らなかったしわからなかった。

 

そして、語学ができることで無敵モードだった私はそんなことを想像もしていなかったのだ。

 

毎日会社に行く時知らなかったことを、

帰り道には知って帰る日々を繰り返せば、

 

これを外国語で出来たのか?

 

というシンプルな疑問にノーと即答できる。

 

たしかに、

日系企業なんてもう古いなんて言う人も居ると思う。

 

実際私もそんなことを言っていた記憶がある。

 

でも、海外で日本のやり方も知らなくて言語もネイティブレベルじゃない日本人の新卒と、同じスキルを持っていて文化も歴史も共有してる自国人であればどちらに優位性が来るかは一目瞭然なのだ。

 

それでも新卒で語学だけができる人のための仕事が現地にはあった。

 

在住日本人の生活サポートの仕事、

例えば駐在員としてやってきた日本人の住居探しサポートの仕事とか、駐在員の秘書とか、日本人観光客向けのサービス業、日本語教師なんかがあったと思う。

 

でも、私は中国語を学んだ時、中国語と日本語を使って日中を飛び回り自分がビジネスの中心で戦力になるような仕事がしたかったのだ。

 

上記の仕事へのリスペクトは忘れないけど、

私の思い描く理想とは全然違う仕事だと感じた。

 

この世の中にはハーフだったり海外大学卒業者だったり、私と同じ日本語を話しながらも最初から海外で通用するスーパーマンのような人たちがいるのは確かだ。

 

SNSではそんな人達の声が大きいから、誰でもできるような気がするけど、

 

今となってはそれは野球をやればみんなイチローになれて金持ちになれるんだよ。

 

なんて言葉と同じくらい暴論な気がする。

 

私のような普通に日本の大学を出て一年程度の海外経験で文系の大学卒業者ならば、

現地で貧乏になったり、駐在員のような日本人に劣等感を感じないで生きていくには、

やはり現地でいい仕事を得るために二、三年の日本での社会人経験は必要だったのかもしれないなー、というのが社会人一年と四ヶ月を終えてしまった私なりの精一杯の感想だ。

 

結局語学で無敵で超カッケー自分にはなれず、

日系企業に沈んだ私の本音はこんな感じ。

 

かっこわるいし、理想とは全然違う毎日だけど、海外が好きで行きたくて仕方がない国があってそれでも国内に甘んじてる人間がどんな風に感じながら働いてるのかについて書いてみました。

 

それでは今日はこの辺で。